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マネックス時代にお世話になったあの方のお店(実は、私が名付け親)で、ワインを飲みながら、しみじみと30数年間を振り返る機会がありました。学生時代から様々な接点があった2人ですが、時間と共に悟りの境地のような世界に近づいている実感を持ちました。

ビジネスとプライベート、2つの側面の話がありましたが、そこで改めて教えられたことは、「プライベートではリスクを過小評価し、仕事ではリスクを過大評価する」という多くの人の人生の傾向でした。

プライベートの恋愛や友人関係の人付き合いというのは、意外にカジュアルに勢いやその場の雰囲気で進めてしまうものです。リスクなどあまり考えず、リターンのみを求めて行動しがちです。しかし、プライベートの人間関係というのは壊れてしまうと元に戻すのは簡単ではありません。一旦大きなダメージを受けると、そこから立ち上がるのには大きなエネルギーが必要です。プライベートこそ、リスクをしっかりと考えて、「誰と付き合わないか」を決めることが、とても重要なのです。

一方の、ビジネスにもリスクがありますが、多くの人はそれを過大に評価しがちです。例えばベンチャー企業に入って、新しいビジネスに挑戦して、もしうまくいかなかったとしても、別の仕事を探し、何回でもチャレンジすることができるはずです。減点法で評価される役人や大手銀行のような仕事は別かもしれないですが、一般の企業で働いたり、自分で仕事をしている人にとっては、「リスクを取らないリスク」の方が大きいのです。

だから、人生の後悔を少なくするためにやるべきことは、「プライベートな意思決定は慎重にし、ビジネスの意思決定は大胆にする」ことだと言えます。

話をしながら人生を振り返ってみると、自分の今までの行動にも思い当たる節がありました。数十年の人生経験を経て、ようやく辿り着いたこの結論。もう少し早く気が付いていればと思いました。

それにしても、大学の友人というのは本当にありがたいものです。私のような至らない人間にも、いつも変わらない態度で接してくれる。思い出話に花が咲き、これからの人生について熱く語ることができた甘美な3時間は、あっという間に過ぎていきました。

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