ボルドー市街から電車に乗って40分。サンテミリオンにやってきました。日本ではワイン産地として有名な場所ですが、サンテミリオン駅は想像以上に小さな無人駅。駅前にはタクシーすらおらず、ホテルの人に迎えに来てもらいました。

この街の魅力は何と言っても、ぶどう畑を見わたせるような高台からの素晴らしい眺望と、コンパクトでチャーミングな街並みです。まるで宝石箱のような街が丘の上に広がり、飲食店やワインショップ、お土産物店などが密集しています。

街を散策して、何の変哲もないカフェのようなお店に入ってみたのですが、そこで注文したワインとおつまみの美味しさに驚きました。ワインはサンテミリオンの聞いたことの無い銘柄でしたが、雑味の無いスムースな味わいで、気が付くと飲み干してしまうような飲みやすさでした。

チーズは絶妙の熟成でわずか5ユーロなのに大量にお皿に乗って出てきました。東京ではD&D（ディーン＆デルーカ）でも手に入らないようなクオリティ。買えたとしても3000円以上するようなボリュームでした。

テリーヌメゾン（自家製テリーヌ）も日本のやさしい味ではなく、塩とガーリックがガツンと効いたワインに良く合う味。とにかく、ワイン、チーズ、パテなどには外れがありません。

ディナーもアイディアに溢れた素晴らしいフレンチでした（写真）。軽めの3皿のコースにワインのペアリングを合わせましたが、最後まで驚きを提供して飽きさせない演出はさすがです。

天気が良かったので、ホテルにあるテラスからぶどう畑をずっと見ていましたが、それだけでもうここに来たかいがあったと思えるような、素晴らしい風景です。絵葉書のような情景とは、まさにこのことかもしれません。セザンヌの絵のような情景と言っても良いかもしれません。日本では絶対にみられない贅沢な風景です。

賑やかな街も夕暮れになっていくと人気が無くなり静かな田舎の街になります。短期間の滞在が勿体ないと思えるほど、気に入った街。フランスに行く予定のある人はボルドーまで足を延ばし、天気が良い時にはサンテミリオンに日帰りでも良いので行ってみることを強くおススメします。

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