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物事の評価を決める要素の一つは「希少性」です。他の人にできない仕事ができる人が高い収入を得たり、トリュフの価格が高いのは、需要に比べ供給が少なく、手に入りにくいからです。

仕事をやる時に、はこの「希少性」をどうやって高めるかを常に意識すべきです。なぜなら、希少性の無い分野に入り込んでしまうと、いわゆる「レッドオーシャン」状態に陥ってしまい、競合との競争にエネルギーを消耗してしまうことになりかねないからです。

だから、ビジネスにおいては、努力することも大切ですが、それ以上に「どこにいるか」が大切です。

今年2月に開店した「SHINOBY`S BAR 銀座」はワインバーですが、近隣のワインバーとはまったく競争関係にありません。看板のないお店で、お客様のほとんどは「資産デザイン研究所メール」や私のこのブログを読んで来てくれる方です。通りがかりの人は、ターゲットにしていないのです。だから、道路の向かい側にワンコインの立飲みワインバーがあっても、関係ありません。

「投資家が集まってきて、仲間と会えるコミュニケーションの場」というコンセプトを前面に押し出すことで、希少性を実現しているからだと思っています。

本業では、資産運用に関するアドバイスを行っています。その中のサービスの1つであるパーソナルコンサルティングでは、金融商品の個別銘柄の推奨のような投資助言行為は一切行っていません。また、ファイナンシャルプランナーの資格も持っていません。どちらも、それぞれに専門家の方が多数いて、激しい競争を繰り広げているからです。

私の資産運用のアドバイスは、金融資産と実物資産を組み合わせたアセットアロケーションが中心です。どの株を買うかとか、どの投資信託に投資すべきかということはテーマにはなりません。具体的な投資対象については、金融商品以外の国内外の不動産やワイン、アートなど実物資産にフォーカスしてお話をしています。そこでは、それぞれのエリアのスペシャリスト(目利き)から、誰を選ぶべきかという「目利きの目利き」の役目を担っています。

このような立ち位置で資産運用の仕事をしているのは、日本では恐らく私だけしかいないはずです。

希少性が、価値の無い「物珍しいだけのもの」に終わってしまえば、そこには価値が発生しません。しかし、一生懸命努力して価値の提供をしようと思っても、「どこにいるか」の戦略が無ければ、意味のある希少性に結び付けることはできず、成果につながらないのです。

真面目にやっているのに成果が出ないと言う人は、「どれだけ努力しているか」ではなく「自分はどこにいるか」という視点でやっていることを振り返ってみると、改善の処方箋が見えてくるはずです。

(写真は上海カニとフカヒレ入りのラーメン。ラーメンというレッドオーシャンで、5000円近い高価格ですが、希少性を実現しています。)

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