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今週、キャッシュカードの再発行手続きで銀行に出かけました。手続を待っている間に、ソファに置いてあった週刊文春を何気なくパラパラとめくっていると、どこかで見覚えのある現代アートの作品が目に飛び込んできました。

何と、丸の内朝大学マネーコミュニケーションクラスのゲスト講師にお越しいただいた三井一弘さんにご紹介頂き、私が購入した今津景さんの作品でした。白金のギャラリーで開催したイベントの時に展示されていたのがとても気に入って、参加者が誰も買わないことを確認してから最後に手に入れたモノトーンの一枚です。

週刊文春と言えば、芸能スキャンダルのスクープを連発し、「センテンス(=文)、スプリング(=春)砲」と業界では恐れられているスーパーメディアですが、スクープ記事の間に現代アートが存在しているというのは意外です。

この作品は、自宅の廊下にそのまま掛けていますが、廊下が上質な空間に生まれ変わったような感じがして、とても満足しています。自分が気に入って購入した作品が、大手メディアの連載に出てくるのは、偶然でしょうが自分の目利きが評価されたような気分になることもあって、何だかうれしくなりました。

現代アートは欧米では投資対象として注目を浴びているようですが、純粋に収益を追求できるものではありません。確かに、有名な作家の作品になると無名時代に比べて価格にゼロが1つ、2つ、3つと付くような場合もありますが、例外と考えた方が良いでしょう。流動性も低く、取引コストも割高です。期待リターンを設定するようなものではなく、超長期の保有を前提にすべきです。

株式のような金融資産や不動産のような実物資産とは異なり、アート作品の価値は理論的に算出することはできません。

株式なら企業のリスクと収益性と市場金利から逆算して株価を推計できます。不動産も収益物件なら家賃収入と市場金利から理論的な価格を計算できます。しかし、アート作品は配当も賃貸収入もありませんから、需要と供給によって価格が決まります。ゴーギャンの絵に300億円の値が付くのは、300億円で手に入れたいという需要があるから。不動産に300億円の値が付くのとは、その理由がまったく異なるのです。

10月2日にはイタリアの超高級ピアノメーカー「ファツィオリ」のショールームで、アートと投資を融合した新しいイベントを企画しています。

純粋に収益を追いかけるだけの投資も必要ですが、毎日の生活を豊かに潤いに満ちたものにすることも同じくらい大切だと思うようになりました。自分が興味を持っているこのような分野の情報提供にも、これから力を入れていくつもりです。

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(掲載されていた週刊文春の表紙)

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身でお願いいたします。