昨日は横浜で「SGグローバルFPヨコハマ」というファイナンシャルプランナーのスタディ・グループの勉強会に講師として参加しました。約50名の方の前でお話したテーマは、海外不動産です。
個人投資家を啓蒙する「お金のプロ」であるファイナンシャルプランナーは、日本に約20万人いるといわれています。多くの方がアドバイスするのは金融資産が中心で、不動産のような実物資産に関する情報提供を行っている人はあまりいません。
投資関連の書籍を見ても、国内外の不動産投資に関する書籍を執筆しているのは実務を経験している大家さんが中心です。ファイナンシャルプランナーの方の著作は、金融資産ばかり。実物資産の書籍を書いているファイナンシャルプランナーは特定の方を除き、ほとんど見かけません。
「お金のプロ」が、NISAやiDeCoのような投資信託やETFを中心とした使ったコツコツ投資や、株式優待やふるさと納税といった真の資産形成とかけ離れた「楽しい投資」にフォーカスし、金融資産以外のアドバイスはほとんど行っていないのは「歪な構造」です。
すべての投資家が実物資産投資をすべきとは言いませんが、少なくとも知識を持ち、最低限の情報提供が出来なければ、相談相手として信頼され無いと思うのです。金利水準がここまで下がっている今、インカムゲインを得る手段として、不動産の知識や経験は「お金のプロ」に必須といえます。
私は金融資産と実物資産のハイブリットな組み合わせこそ、個人投資家に対する最良のアドバイスと考えています。自らの資産運用でも2つの資産を組み合わせて投資し、その成果を個人投資家にフィードバックしています。
不動産をはじめとする実物資産の難しいところは、自分で実際にやってみないと人にアドバイスができないことです。物件の個別性が強く、ローンの借入や、管理の方法など金融商品に比べ複雑なことが多く、経験者でなければ理解できなことが多いからです。
とすれば、まずはファイナンシャルプランナー自身が投資をやってみること。自分自身で投資をしてみれば、そこから得られる貴重な情報を個人投資家にフィードバックすることができます。やったことも無いのに「食わず嫌い」するのは勿体ないと思います。
そんな実物資産投資の経験を持つ「お金の専門家」が増えてくれば、日本の個人の資産運用が大きく変わるきっかけになると思います。
果たして、昨日参加されたファイナンシャルプランナーの中で、何名の方がそんなアクションを取ってくれるでしょうか。
ファイナンシャルプランナーの方に向けても、地道に啓蒙活動を続けていきたいと思います。
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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。