本日の日本経済新聞朝刊に「日経新聞の良心」こと田村正之編集委員が投資信託選びに関する正論を書いています(写真も同紙から)。
投資信託で思ったように資産が増えない「残念な投資家」の共通点は2つです。1つはより運用成果の高いアクティブファンドを探そうとしていること。そして、もう1つの問題が投資のタイミングを考えて、安いところで買おうとすることです。
長期でインデックスを超える運用成果を出しているアクティブファンドは全体の半分以下です。記事の中では日本株のアクティブファンドの分析結果を紹介していますが、10年でインデックスを超えた運用リターンを実現しているのは、3割から4割程度。これは外国株式など他の投資対象でも同じです。個人投資家が事前に優れた運用成績のアクティブファンドを選び出すのは困難です。
また、コストに関してもインデックス型が有利です。国内株式型の投資信託全体の信託報酬(年間にかかる管理コスト)は1.29%。高コストのアクティブファンドが平均を押し上げています。例えば、三菱UFJ国際投信のイー・マクシス・スリムなら0.17%と8分の1程度です。
平均的に運用成績が良く、コストが圧倒的に安いのですから、インデックス型の超低コスト投信を使わない手はありません。
そして、もう1つのタイミングを考えて失敗する問題の解決法は、積立を活用して、「時間の分散」をすることです。ネット証券には毎月自動的に積立を行うサービスがあります。一旦登録してしまえば、自動的に毎月購入を行ってくれます。定額で積立することで、価格が低くなると多く、高くなると少なくなる「ドルコスト平均法」で資産形成できるのです。タイミングを考えて、高値で買って失敗するより「ずっとまし」な方法です。
記事の中で1つだけ気になったのが「もちろん投信選びに自信があったり、運用哲学に共感できたりする場合、アクティブ型投信を選ぶのは大事な手法だ。」という田村氏のコメントです。
自信がある人は自信過剰で失敗し、運用哲学が結果に反映しなければ哲学自体に修正の必要があるというのが、私の考えです。
投資信託は超低コストのインデックスファンドを積立するだけ。そうすれば、投資信託選びに時間をかける必要はありません。
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