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日本経済新聞の報道によれば不動産各社が販売用の在庫を圧縮する動きが加速しているそうです。

不動産各社は損切りしてでも、在庫を圧縮し、リスクを取らない方向に一斉に走っています(図表も同紙から)。

一棟ものの在庫圧縮は、年度末を超えた4月以降も続くと思われ、一棟ものの不動産価格は更に下落すると予想します。それに伴って、大手の不動産会社の経営破たんがあるかもしれません。

2017年に日銀が金融システムリポートで地銀の不動産担保融資のリスクを指摘、そして2018年のスルガ銀行問題をきっかけに、銀行の不動産担保融資が慎重姿勢に変化し、投資家にファイナンスが付きにくくなったことから価格が下落に転じている状況です。

地方はともかく東京の都心部は、オフィスも住宅も引き続き堅調な賃貸需要が存在します。その中で価格調整が始まっている原因は、資産の問題ではなく借り入れの問題という訳です。

そんな中での例外が、都心・中古・ワンルームマンションです。こちらは、オリックス銀行を始めとする、先進的な金融機関が引き続き積極的な融資を続けています。空室リスクも低く、資産性が高い物件に対する融資は、銀行にとっても数少ない本業で稼げる収益性の高いビジネスですから、真っ当な対応といえます。

ワンルームマンションの販売価格は底堅く動いており、品薄です。また、賃貸の家賃も上昇傾向が続いています。

投資家の関心も高く、ワンルームマンションセミナーは、1ヵ月先の4月15日の開催なのに既に満席です。

しかし、このようなワンルームマンション投資を取り巻く環境も、金融庁のさじ加減でどう変わるか不透明なことには変わりありません。ワンルームマンション投資の融資の主流である提携ローンの審査が厳しくなれば、買い手が減り、一棟ものと同じように価格は下落に転じる可能性があります。

賃貸需要がある物件なのに、融資が付かないために物件価格が下がれは、利回りは上がります。もしそうなれば、現金購入の投資家にとってはチャンスといえます。

いずれにしても、今後の不動産投資は、金融庁と不動産担保融資を行う金融機関の動きに、より注意を払う必要があります。やっぱり、不動産の価格は金融庁と銀行次第なのです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。