190622Nikkei

金融資産で銘柄を選んで投資をしたり、相場のタイミングを見て安く買って高く売る。そんな銘柄選択や投資タイミングで収益を上げるのは、ほとんどの個人投資家にとって極めて難しいと思っています。

日本経済新聞には不定期にエコノミストやストラテジストの相場の予想が掲載されています(上記一覧も同紙から)。

「専門家」の予想が並んでいますが、この記事からわかることは、年末の日経平均の予想は17000円から25000円に入るということだけです。誰の言うことに一番信頼性があるかはわからないから、全員の予想を合わせて考えると、そんな毒にも薬にもならないような結論になってしまうのです。

この手の予想の問題は、後から検証がまったくなされていないことです。例えば、それぞれの専門家の人たちの過去の予想と、その的中度合いに関して実績を示すデータがあれば、誰が的確な予想をして、誰があまり当たらないのかがわかります。

しかし、そんな風に予想に対して評価が掲載されるようになれば、評価されることを嫌い、予想すること自体を辞退する人が増えて、記事が書けなくなってしまうかもしれません。このような取材に協力してくれる専門家は新聞社からみてもありがたい存在です。「評価」などという強気な対応は恐らくできないのです。

それに、もし予想が当たるというランキング結果が出れば、新聞紙上で不特定多数の人に情報提供するより有料化して収益化した方が良いということになります。実際、そのような評判が立ち、金融機関から独立して投資助言業を行っている人もいます。

このように考えていくと、新聞や雑誌のようなメディアで公表されている金融マーケットの予想は、面白いかもしれないけど投資判断の役には立たない。これが私の結論です。

後講釈でどうして円高になったのか、どうして株価は上がったのかを説明する能力が高くても、それは投資判断が的確であることは意味しません。

日本経済新聞のような経済メディアは、事実を確認するためには極めて有益です。しかし、金融資産の運用は専門家に頼らず、インデックス運用で積立をすることが資産を増やす最善の方法。その考え方は、少なくとも今のところは変わりません。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。