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どんな風に生きたら、幸せな人生になるのか?誰でも興味があることだと思います。様々な実証研究がありますが、明確な結論はありません。

フェイスブックで紹介されていた、政策シンクタンクのRIETI(独立行政法人経済産業研究所)の、西村和雄氏と同志社大学の八木匡氏がまとめた「幸福感と自己決定―日本における実証研究」という論文は、3年前のものですが、日本人の幸福に関して興味深い研究結果をまとめています。

2万人の日本人を対象にアンケート調査を行い、所得、学歴、健康、人間関係、自己決定から幸福感を決定する要因について分析しています。

概要の中では次の3つのポイントが注目すべき研究成果として挙げらえれています。

1.所得が1100万円を超えると、所得が増加しても幸福感がそれほど増加しない傾向になる
所得と幸福感には正の相関があるのは、当たり前ですが、所得が増加することによる主観的幸福度の増加の変化率の比は年収1100 万円で最大いう結果になっています。以前、アメリカの研究で年収75,000ドル(800万円強)を超えると幸福度はそれほど増加しなくなるという結果を見たことがあります。

物価レベルや経済環境によってピークの金額は変動するのでしょうが、いずれにしても一定の金額を超えると収入が増えることが幸福感にそれほど影響しなくなるという結論は変わらないようです。

2.中年期(35歳から49歳)になると幸福感が落ち込む「U字型曲線」になっている
年齢と幸福度の関係を見ると、35歳未満から35歳から49歳になると幸福度が下がり、50歳以上になると再び上昇するという傾向があるそうです。

これも他の幸福度調査でも似たような結果が出ています。シニアになると幸福感が高まるというのは、なぜなのでしょうか?

3.健康、人間関係に次ぐ幸福感決定要因は「自己決定」
アンケート項目で進学や就職の時に、どのようにして進学先や就職先を決めたかを調べることで自己決定要因というものを推計しています。その結果として、自分の人生を自分で決定した人の方が幸福感が高いという傾向があるそうです。

所得や学歴よりも自己決定力の方が幸福感につながるというのは、意外な結果ですが、選択の自由があることが、人生の満足度を高めるのに大きく影響しているのだと思われます。

何をもって幸福と感じるかは個人差が大きく、自分の答えを見つけることは簡単ではありません。しかし、このような調査から現状の幸福感を感じていない人はどうしたら幸福感を高めることができるかについて、ヒントが得られると思います。

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