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総務省統計局が発表した2021年の住民基本台帳人口移動報告によれば、都道府県別で転入超過となっているのは、神奈川県,埼玉県,千葉県など10都府県だけで、東京都も転入超過になっていますが、転入者数は大きく減少しています。

また、東京23区だけを見ると14,828人の転出超過となっています。これは2014年以来初めての現象です。コロナ禍での東京23区からの人口流出が始まっているとメディアが報道しているのは事実です。

しかし、年代別データを詳しく見ると、別の側面が見えてきます。

図表は、年齢3区分別の転入超過数の上位の市町村のランキングです。働き手の中心となる15~64歳では、東京23区が1万3千人以上の転入超過となって全国第一位になっています。さらに細かく15歳~29歳の数字を見ると

15歳から19歳 7,786人
20歳から24歳 47,262人
25歳から29歳 10,186人

といずれも転入超過となっており、合計で65,234人の転入超過になっています。

つまり、東京23区から流出しているのは、お年寄りと30代以上の子供がいるファミリー層であると想定されます。

働き手の中でも、単身者の若年層は相変わらず東京に流れ込んでいるのです。

その理由は、雇用と学校だと思います。

社会人は、やはり仕事があって給料が高いところに集まってくるのです。そして、学生は学校が近くにある場所に住みたがる傾向があります。

例えば、大企業や外資系企業の多くは東京にオフィスを構えています。その結果、給与の高い仕事がしたければ、東京で仕事を探すのが最善となります。

また、東京の2021年度の1時間あたりの最低賃金は1,041円です。時給1,000円を超えているのは東京と神奈川だけ。アルバイトでも東京に出てくるのが一番稼げる方法なのです。

リモートの授業が続いていた大学も、対面での授業に回帰しています。例えば、慶應大学では、この4月から対面授業を9割にすると発表したそうです。やはり、大学生は友達との対面のコミュニケーションを重視しているのです。

今回の統計データは日本国内における人口移動の情報を集計したもので,国外からの転入者及び国外への転出者は含まれていません。

コロナ感染が収束し、このデータに外国人の来日が加わると、更に日本国内の人の動きには違った情景が見えてくるはずです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。