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日本経済新聞電子版によれば、三菱UFJ、三井住友、みずほのいわゆるメガバンク3行の来年春の新卒採用計画数が今年春からさらに13%少なくなり、合計で1100人になると報じられています。これは、2016年の直近の採用数のピークの8割減です。
今や、銀行の総合職という職種は「絶滅品種」です。
私も1986年に新卒で入社したのは銀行でした。総合職という文系の学生を中心としたジェネラリスト採用で、約90名の配属はバラバラ。私は東京駅にある支店に配属されて、住宅ローンの受付の仕事を1年3か月担当しました。
数年ごとに社内ローテーションを繰り返しながら、徐々に自分の専門エリアが決まっていく仕組みですが、人材育成というより人材が長い時間をかけてスポイルされていくように感じました。そんな銀行にずっといることにぼんやりとした危機感を感じて、1997年に外資系の投資顧問会社に転職しました。
専門性の無い文系の学生を寄せ集めて支店や本部に配属し、人事異動を繰り返す人事システムでは、社内政治に長けた役人のような人や、上司におべっかを使う「ひらめ(上しか見ていない人)」が評価される傾向が強まります。
専門能力ではなく、社内の人間関係が大切なのです。
今や、銀行の支店の数も減り、事務処理もアウトソースすることで銀行員の必要な数は減りました。本業であるべき融資の審査も、人間が勘でやるよりもAIを使ってスコアリングする方が、低コストでスピーディで正確です。
若手の銀行員の中には、潜在能力が高く、環境によっては大きく成長する可能性が高い人材が数多くいるはずです。せっかくの「人材の宝庫」が時間と共に「人材の墓場」にスポイルされていく。
そう考えれば、メガバンクの採用縮小は若者にとっては雇用機会の縮小というバッドニュースではなく、キャリアプランの失敗を減らすグッドニュースに見えるのです。
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