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不動産営業の仕事で抜群の成績を上げ独立し、その後も順調に仕事を続けている若手経営者と話す機会がありました。
私が彼に聞いてみたかったのは、自分自身が成し遂げた抜群の営業実績を経営者として今度は社員にも再現させることができるかどうかです。
結論から言うと、営業能力の再現性に関しては否定的でした。
彼の意見は、営業の仕事は努力が4割、センスが4割、そして残りの2割が愛嬌で決まるという見立てでした。
営業の仕事は、数をこなすことで結果が出る世界であることは事実です。
例えば、飛び込み営業で1日100件こなせる人は、1日50件の人に比べ、話を聞いてもらえる可能性が2倍になります。
根気よく長い時間をかけて商売相手を見つける努力を続けられれば、営業の仕事の結果につながる第一歩になります。
しかし、せっかくコンタクトできても、そこから自分のプレゼンによって売りたいものを成約してもらえなければ、結果はゼロです。
ストーリーを作り、相手の気持ちを確認しながら、最終的にクロージングに持ち込む。そのプロセスは、営業担当者によって人それぞれの個性があり、マニュアル化する事は難しい。商品を売るのではなく、人間性を売り込んでいるからです。
それは人に伝えることができない「センス」としか言いようのないものです。つまり再現性はありません。
さらに営業に大切だと語っていたのが、お客様の懐に飛び込んで可愛がってもらえる「愛嬌」です。
同じ失敗をしても、怒鳴られる人もいれば、笑って許してもらえる人もいる。その違いは、相手が気に入っているかどうか、ただそれだけです。
人に気に入られやすい愛嬌のある人は、何をやっても許されることが多く、愛嬌のない人は同じことをしても評価をされません。
この愛嬌と言うのも、努力して身に付けられるものではなく、持って生まれた1つの才能です。
ここまでの話でわかる事は、営業の仕事の半分以上は努力ではなく、才能で決まってしまうと言うことです。
凡人がどれだけ努力をしても、大谷翔平さんや藤井聡太さんにはなれない。それと同じように、どんなに努力をしても、営業で実績を上げられない人がいる。
もしそれが本当だとすれば、営業で成績が上がらない人がやるべきことは、人一倍努力をすることではなく、自分の適性を冷静に分析することではないでしょうか。
営業の能力が生まれつき無いとわかったら、頑張らないで別の強みを探す。これは営業の世界に限らず、すべてのことに共通する大切な考え方だと思いました。
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