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母親が30年ぶりにもう一度行ってみたいと口癖のように言っていた上高地帝国ホテルですが、弟夫婦に甥っ子も連れて5人で行ってきました。
数ヵ月前に予約を取ろうと調べてみるとこのホテルの人気が凄まじいことがわかりました。わずか客室は74室ほどしかありません。しかも2026年は4月26日(日)から11月15日(日)までの半年しか営業しないため予約を取ることは極めて困難であることがわかりました。
今年の予約開始日は2月5日の朝10時からですが、電話が繋がらず予約できそうにありません。そこで通常ルートでの予約は諦め、関係者の方にお願いすることにしました。
せっかくの機会なので、奮発してバルコニー付きの角部屋のスイートルームを予約しました。
東京から5時間かけてようやく辿り着いた宿はロビーに大きなマントルピースがあって伝統的で重厚な雰囲気です。古くからある設備を大切に活かした建物はその歴史を反映しています。
そのため客室や館内の設備は必ずしも最新のものとは言えません。お部屋の内装は昭和な雰囲気が残り、空調なども古いままです(写真)。バスルームもトイレと一緒の仕様でスイートルームにも関わらず山小屋の風情でした。
ハードのスペックだけなら、もっと良いホテルは全国にたくさんあります。
しかし、それを補って余りあるのが、徹底的に磨き上げられたソフト面の素晴らしさと他にはない自然環境です。
スタッフのきめ細かい対応は帝国ホテルクオリティですし、夕方にはマントルピースの点火式で盛り上げてくれました。
ダイニングで提供されるフレンチは正統派のお料理で隙がありません。ペアリングのワインも真っ当で長野の山奥にある山岳リゾートとは思えない高いクオリティでした。
そして何といってもこのホテルの最大の魅力は手付かずの大自然を堪能できることです。
早朝に起きてテラスに出ると澄み切った空気が気持ちよく、遠くには奥穂高が見えました。ウグイスの鳴き声が響き渡り東京とは別世界の透明感のある空間を味わえます。
朝食の前にホテルの周辺を散策しましたが、体が浄化されるような爽快な気分になりました。空気も水もピュアで、風に当たっているとこの世にいるとは思えない不思議な気分になれます。
朝食に食べた和食も京都の高級旅館で食べるのと遜色なく、夕食同様山奥なのにここまでのレベルが再現できるのかと感動しました。
何かを楽しむというよりそこにいることに価値がある。そんな唯一無二の価値を心から味わいました。
東京から電車で約3時間。そこから車で1時間半。さらにタクシーを乗り継いで30分。片道5時間の長旅でしたが、命の洗濯ができ大満足でした。
昭和のシニア世代のホテルだと思い込んでましたが、客層は想像より若かったです。
親孝行の目的で出かけたのに、自分もすっかり上高地帝国ホテルの魅力にハマってしまっているのに驚きです。
既存の高級ホテルにそろそろ飽きて物足りなくなってきた人は是非行ってみてください。私は次に行くなら長期滞在してみたいと思っています。
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