
毎週金曜日17時に配信している無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」。メールアドレスとお名前を登録するだけで、お金の不安を解消するための具体的な方法をご紹介します。
———-
日本経済新聞電子版によれば千代田区は三菱地所レジデンスの分譲マンション計画に対し「引き渡し後5年間の転売禁止」を要請するそうです(図表も同紙から)。急激な価格高騰を抑え、投機的な売買から実需層を守るためという理由のようですが違和感を感じます。
そもそも個人の不動産の短期的な転売による利益には、既に税制面で高い税率が課されています。所有期間5年以下の不動産を売却した場合、譲渡所得に対して約40パーセントという高率の税金がかかります。
現行の税制で十分な抑制機能が働いているにもかかわらず、行政が個別物件の売買にまで介入するのは過剰と言わざるを得ません。もし短期の転売を規制するなら法人名義の購入を禁止する方が効果的です。
また、東京都心部のマンション価格はすでにピークアウトの兆候を見せており、日銀の金利引き上げもあって、相場は調整し下落局面へとシフトしています。
過熱した市場のが落ち着き、自然な価格調整が行われ始めているこのタイミングで、今更このような規制を持ち出すのはタイミングがズレています。
そもそも特定の地域や物件に限定してこうした例外的な規制を持ち込むことはマーケットメカニズムによる価格形成を歪めます。
そればかりか実需層にもマイナスの影響を与えかねません。
投資目的ではない普通の人々であっても転勤や離婚、病気や失業によるローン返済難など、予期せぬ事情で5年以内に自宅を売却せざるを得なくなる事態は起こり得ます。
万が一の際に出口が塞がれるリスクを警戒し実需層が購入を躊躇してしまうのであれば、本末転倒です。
今回の千代田区の対応は世間の「マンションが高すぎて買えない」という不満に対して、行政が対策に乗り出したとアピールするためだけの、政治的パフォーマンスに見えます。
選挙対策としてはウケが良いのかもしれませんが、私有財産権を軽視し、市場の健全な機能を損なうデメリットの方が大きいと思います。
ポピュリズム政治のためにデメリットの大きな政策を進めるのはやめて欲しいものです。
日本政府や他の自治体が横並びに追随しないことを祈ります。
■ 「初めての人のための99%成功する不動産投資」、シリーズ累計30万部を超えた「初めての人のための資産運用ガイド」など、今までに出版された書籍の一覧はこちらから。