image

日本財託のオーナー向け情報誌「まめ〜る」に、東京の投資用不動産に関する極めて興味深いデータが掲載されていました。

不動産業界で随一のデータバンクである東京カンテイの分析です。それによると、同じ東京の投資用不動産であっても、資産性という点から将来格差が広がる可能性があることが示唆されています。

例えば、東京都全体の中古ワンルームの坪単価は2016年に平均で1.7%上昇していますが、葛飾区、江戸川区といった東部の区や、武蔵野市、調布市といった都下では下落が始まっています。

東京23区の中でどこがこれから資産性を維持できるエリアになるかについては、同じ分析に掲載されている行政区別の「リセールバリュー」のデータが参考になります。新築後10年経った物件の新築時の価格と現在の取引価格を比較した価格維持率をリセールバリューと呼びます。リセールバリューが100%なら、10年経っても価値が変わらないことを示します。

東京都の平均のリセールバリューは83.6%となってます。つまり1000万円の新築物件は10年後に平均で836万円になるということです。

これを上回るリセールバリューになっているのは、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区、品川区、目黒区となり「鉄板の8区」と呼んでいます。

東京平均 83.6%
千代田区 94.1%
中央区 90.6%
港区 98.7%
新宿区 86.6%
文京区 85.3%
渋谷区 94.6%
品川区 88.7%
目黒区 92.1%

リセールバリューと家賃の坪単価には高い相関があることも指摘しています。つまり単純に坪単価家賃が高い物件はリセールバリューも高いということです。

また、駅からの所要時間が徒歩10分を超える物件は徒歩6分以内の物件より約5%リセールバリューは低下するというデータもあるそうです。

このような分析から中古ワンルームマンションの選択を資産性から考えると

1.東京23区の「鉄板の8区」を選択する
2.可能であれば、徒歩6分以内にする

とすれば、ほぼ完ぺきであることがわかります。ただし、都心8区で徒歩6分以内の物件価格は2000万円を超える物件になり、手が届きにくくなります。

上記の条件を満たさないからと言って「買ってはいけない」とは限りません。リセールバリューが少し低くても、収益性が高い物件を狙うという戦略もあります。

実際、私も鉄板の8区以外の物件や、徒歩10分程度の物件を所有していますが、満室稼働していますし、利回りも高いですから保有を続けようと思っています。

不動産投資はニーズのあるエリアを選ぶことが大前提ですが、資産性だけではなく、収益性とのバランスにも配慮することが重要です。

■ 毎週金曜日に配信している無料メルマガ「資産デザイン研究所メール」。メールアドレスを登録するだけで、お金を増やすためのとっておきのヒントをお届けします。

■ 新刊「毎月100万円を生み出す人生戦略の立て方」、シリーズ累計17万部となった「初めての人のための資産運用ガイド」など、今までに出版された書籍の一覧はこちらから。

※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。