資産デザイン研究所で仕事をはじめて、もう2年近くになろうとしています。会社を設立した当初にデザインしてもらった思い出深い名刺を見ると、創業当時を思い出します。
はじめて独立して仕事をはじめるのには、大きな不安がありました。そこで、まずは先輩方にアドバイスをいただこうと思い、自分で会社を経営している友人や知人に片っ端からコンタクトをして、話を聞かせてもらうようお願いしました。ほとんどの人は、快く時間を割いてくれ、本当に親身に話を聞いてくれて、有益なアドバイスを提供してくれたのです。しかし、中には「忙しいから」「教えることなんて何もないから」とアポイントの時間を取ってもらえない人もいました。会社の看板が無くなると、態度が変わってしまう人っているんだな、と実感したものです。
そんな中で、ある経営者の方には、お昼の忙しい時間を割いて頂き、ランチとお茶までご馳走していただきました。そして、会社のスタートアップに必要な知恵を惜しみなく伝授してくれたのです。自分で会社を経営するということがまったく理解できていなかった私にとっては、目からウロコの話の連続で、持参したノートに懸命にメモを取りまくったのを覚えています。
その時に、ご馳走になった焼き鳥丼。金額にしたら大きなものではないのかもしれませんが、不安で一杯だった当時の私にとっては、とてもありがたい価値ある一品だったのです。今でも、その時の情景は目に浮かびます。
その方とは、今もお仕事をご一緒させてもらっていますが、強い信頼関係で結ばれています。頂いたものを、いつか何とかお返ししたいと、いつも思うような存在です。
一方、以前アポイントメントをお断りされた方から、最近コンタクトがありました。「久しぶりにお会いしてお話したい」との申し出です。あの頃とは真逆の対応に、どう反応して良いのか戸惑っていますが、何も無かったように、お付き合いするのが大人の対応なのでしょうか?
土砂降りの夕立が来て困っている時に、雨宿りしている軒先で貸してもらった傘は、例え100円ショップのビニール製であっても、とてもありがたいものです。貸してくれた人のご厚意は忘れないと思います。でも、炎天下の晴天の日だったら、例えブランド品の1万円の傘であっても、邪魔で必要の無いものです。
人が困っている時に、その人の気持ちに寄り添って、何が必要なのかを本気で考えて、できることを提供する。そんな心がけをいつも持てる人になりたいと思います。少なくとも、自分の都合や相手のポジションだけで、手のひらを返すような人間にだけはなりたくないものです。
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