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資産設計実践会メンバーとの視察ツアーでマレーシアのジョホールバル(JB)に行きました。シンガポールと橋を挟んで北側にある開発エリアです。2年半ぶりの再訪ですが、街が着実に変わっているのを感じました。

写真のように相変わらず、あちこちで工事を行っていて、そのペースは新興国にしてはややスピードに欠けるような気もします。しかし、2年前との決定的な違いは、壮大な計画に過ぎなかったプロジェクトの中から実際に完成した物件も登場し、いよいよ現実的な街造りが始まっているように思えたことです。

B地区の有望エリアと言われるプテリハーバーでは既にヨットハーバーが整備され(写真下)、以前は閑散としていた商店街にも人が集まるようになっていました。

しかし、現地のモデルルームには、ベトナムのホーチミンで感じたような新興国マーケットのような物件に買いが殺到した数年前の熱気はありませんでした。

資源価格の下落によってマレーシア経済の成長率は低下し、マレーシアリンギットも対円で下落しています。かつての通貨危機の再来の可能性は低いと思いますが、新興国経済の中ではお世辞にも好調な経済とは言えません。

また、シンガポールの不動産価格も政府の外国人に対する課税強化の効果が出てきており、上昇から下落に転じています。それに引きずられる形で、マレーシアのジョホールバルの不動産価格も、以前のような右肩上がりは終わって、一部の物件は割安に提供されるようになっています。

さらに、シンガポールの中心部からジョホールバルを通り、最終的にクアラルンプールに抜けるマレー半島高速鉄道の計画も2020年完成の予定が見直され、2016年に再度入札が行なわれる予定になっています。

このような、開発スピードの鈍化から、投資対象としての魅力に否定的な見方をする人もいます。

しかし、ジョホールバルのような長期で大規模な開発計画の評価は1年、2年で下すべきものではありません。むしろ、市場が落ち着いて、価格が下落するような局面が投資の好機とも考えられるのです。

2年前には懐疑的だったマレーシアのイスカンダル計画という壮大な実験。今回行ってみて投資対象としての魅力は、市場の評価とは対照的にむしろ以前より高まったように感じました。

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