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仕事柄、セミナーのプレゼンテーション資料を作ったり、書籍の図表をデザインしたりすることがありますが、その作成方法はまったくの我流で、体系的に勉強する機会がありませんでした。そんな自分が必要としている情報をコンパクトにまとめてあるのがこの本です。

例えば、プレゼンテーション資料をカラーで作ろうという場合、どの色を使って、何色まで増やしても良いのか。あるいは、文字をテキストで表示する場合に、どのフォントを使って、フォントサイズはどの大きさにすれば良いのか。

今までは、作成している時の気分で適当に作っていましたが、この本を読んで「デザインにはルールがある」ということを認識しました。センスではなく、ルール。だから、誰でもそのルールを身に付ければ、わかりやすく美しいと思われるデザインが作成できるのです。

また、デザインが「目的」ではなく「手段」であるというコンセプトにも共感しました。デザイン制作においては、何よりも先に「制作する目的」をきちんと定め、その目的に合ったデザインを考えていくというプロセスが大切です。

基本ルールと目的の明確化という2つをしっかり押さえることで、センスに頼っていた現状から一歩進化したプレゼンテーションをすべきなのです。

具体的なデザイン制作のプロセスも丁寧に解説してあります。最初にやるべきことは、いきなりコンテンツを作っていくのではなく、情報の整理です。何を伝えたいのかを明確にした上で、レイアウトを設定し、配色を決定し、文字書体の選定をしてから、最後に情報の図式化する。これが目的に合ったデザインを作るために必要な順序です。

本書に書いてあることを自分の作ったプレゼンテーション資料に照らし合わせてみると、とても恥ずかしい気持ちになりました。目的に合ったデザイン、読み手の気持ちに沿ったデザインという視点が、足りないことを痛感したからです。

セミナー講師で資料作りをする機会のある人だけでなく、宣伝用のチラシの制作や、パンフレットのような説明資料を作る機会のある人には、すぐに役立つ内容がコンパクトにまとめられています。「説明する」というお仕事に関わるすべての人に読む価値がある内容の濃い一冊です。

<参考図書>
「デザイン入門教室」 坂本伸二

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。