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今週、京都に不動産物件を購入しました。京都駅から近い閑静なエリア(写真)にある一棟ものの小さなビルですが、取引の仕組みが少し変わっています。

それは、単なる売買ではなく、「リースバック」という新しい仕組みを取り入れていることです。

土地建物の売買は通常の取引と何ら変わりません。現状の所有者から、所有権を譲り受けることができました。ただし、売買取引と同時に「定期建物賃貸借契約」を結びます。

この契約の中で、現在の所有者は売却後も引き続き賃料を払って、物件を使用することが明記されています。購入者の立場からは購入後も安定した賃貸収入が見込めます。

そして、この契約書には2年後に売却者が希望すれば、物件を当初に決められた価格で買い戻すことができるという優先権も書かれています。ただし、買戻し価格は今回の売買の価格より高い価格が設定されています。

このような取引には買い手、売り手両者にメリットがあります。

買い手(投資家)から見れば、毎月の家賃収入が2年間確約されていて、2年後に買戻しされたとしても、保証された高値で売却でき、高いリターンが見込めます。逆にもし、買戻しが無ければ、その物件の所有権を持ち続けることができます。今回の購入価格は市場価格より割安ですから単純な売買としてもメリットがあります。

一方の売り手から見れば、売却によって必要となっている当面の現金が手に入れられます。金融機関からの借入が難しいようですので、このような資金調達スキームで、不動産担保ローンと同じような効果が得られます。

このリースバックという仕組みには、不動産を保有していて、資金ニーズがある人と、安定したインカムを得るために不動産で資産運用したい投資家をマッチングするという存在意義があると言えます。

市場規模の拡大に向けての問題は、マーケット規模です。通常の不動産売買に比べれば、売り手の数が限定されます。またリースバックの契約内容についても条件交渉がまとめるのは時間がかかりそうです。資産デザイン研究所では、買い手の投資家の方からの強いニーズは見えていますから、売り手を見つける仕組み作りがカギになりそうです。

新しい可能性のある取引手法ですが、リスクも存在します。今回、まず自分のお金を使って「実験」してみて、検証することからはじめてみます。将来、具体的に投資できる案件が出てきたら、資産デザイン研究所メールで、最新の情報を投資家の皆さまにご紹介しようと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。