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日本経済新聞夕刊に掲載されていた松井証券元社長の松井道夫氏(写真)のインタビュー記事が痛快です。

私は、1999年から2011年まで、マネックスで仕事をしていましたが、当時のネット証券の中で松井証券だけは、いつも異彩を放っていました。

松井氏のやってきたことは、証券業界の常識とは正反対の「逆張り経営」でしたが、振り返ってみれば時代が松井氏の非常識についていき、非常識は常識になりました。

例えば、会社全体の手数料の7割を稼いていた30人の歩合給の営業担当者と営業店舗を全廃して、電話注文だけに切り替える。

あるいは、当時業界全体で年間数百億円あった株式保護預かり手数料を廃止したり、店頭株式市場の手数料を半額にする。

更に、1999年に株式売買手数料の完全自由化が導入されると、松井証券は1日3回300万円までなら手数料3千円という1日定額制を導入。

これだけ値下げすれば、会社は儲からないと思いきや、全国に顧客が増えて、取引量が急拡大し、手数料収入が20倍になり、収益力で業界ナンバーワンにまで昇り詰めました。

なぜ、松井氏は業界慣習や周囲からのアドバイスにとらわれず、常識外の決断ができたのでしょうか?

その理由を「先見性やブレない姿勢ではではなく、直感力」だと語ります。人からどう思われるかを忖度せず、自分が直感的にこれだ!と思ったことを、腹を括って決断する。

松井氏は、金融の世界では「会社の損イコール顧客の利益」という考えに至り、それから会社が損をすることは何かをいつも考えるようになったそうです。

自分の直観力を、そこまで信じて行動できる経営者は、なかなかいないと思います。

しかし、トップに向いているのは、他人からどう思われているか気にしない人という言葉には、実績が伴っているだけに、説得力があります。

同族経営にも関わらず、松井氏は会長にもならず、そのままスパッと業界を去っていくそうです。その引き際も、いかにもこの方らしい。このような経営者にこそ、私の履歴書を書いて欲しいものです。

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