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「起業の天才!」を読みました。リクルートを創業した江副浩正氏の生涯を描いたものです。500ページ近い大作ですが、あまりの面白さに、一気に読んでしまいました。

江副氏のリクルートの創業とその後の発展の中で驚くのは、その先見性です。

グーグルマップやグローバルなクラウドサービスなど、グーグルやアマゾンが後に実現したことを、その数十年前からビジネスチャンスと捉え、事業化しようとしていた。ただ、そこにはまだインターネットが無かっただけなのです。

リクルートといえば、人材情報ビジネスのイメージですが、それを超えたGAFAのようなビジネスを構想していたという壮大なスケール感がありました。

リクルートが大きく成長したのは、この江副氏の先見性と、優秀な人材を集め、彼らをやる気にさせる仕組みです。

例えば、スーパーコンピューターを購入することで、優秀なコンピューター業界の人材を世界から獲得する。

また、女性や在日コリアンなど、当時就職において差別されていた人たちも全くフラットに登用したのです。

そして、社員のモチベーションを高める仕組みが、プロフィットセンター制度です。ユニットを細かく分けて、収益を計算させることで、上司に命令されるのではなく、自ら当事者として利益を追求する体制が出来上がりました。この仕組みによって、フェアな競争が促進され、誰もが馬車馬のように働き始めたのです。

残念ながら、江副氏はリクルートコスモスの未公開株を政財界の要人に譲渡したというリクルート事件によって逮捕され、同社から去ることになりました。しかし、未公開株譲渡に関しては、果たして有罪といえるのかどうか。当時の状況では議論があります。

また、不動産ビジネスに傾倒し、バブル崩壊により大きな損失を出した。これも江副氏にダメージを与えてしまいました。

もし、リクルート事件がなかったら…。歴史に「もしも」はありませんが、日本のITビジネスはずいぶん変わっていた可能性が高いと思います。

日本のエスタブリッシュメントに接近し、日本のエスタブリッシュメントに抹殺された。ビジネスの競合として、リクルートに敵意を持っていた既存メディアのヒステリックな報道によって、江副氏はビジネスの第一線から消されることになりました。日本経済は大きな機会損失を被ったと思います。

もうこのような起業家は、きっと日本には現れないのではないかと思うと、とても残念です。

<参考図書>
「起業の天才!」 大西康之

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