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「サブスク」という言葉を最近良く聞くようになりました。

これはサブスクリプション(subscription)の略で、雑誌などの年間購読を意味する言葉が語源となっています。商品やサービスを一定期間、一定額で利用してもらうビジネスの仕組みです。

飲食の世界でも、このサブスクモデルを取り入れる例を見かけるようになりました。

例えば、西麻布の住宅地にある、看板もまったくないカウンターだけのワインバーです。正確に言えば、ワインバーという飲食店ではなく、ワインの保管スペースに試飲コーナーが付いていて、支払っているのは保管料という形式になっています。

メンバーは紹介制で、メンバーになるとセラーに96本まで自分のワインを保管できます。月会費を支払えば、付属しているカウンターで、自分のワインを開けて飲むのは無料です。カウンターにはソムリエが常駐していて、抜栓やサーブをしてくれます。

このビジネスモデルには、来店者数や利用金額に関わらず、会員からの月会費から安定した売上が得られるメリットがあります。もし月会費が5万円で20人集まれば、100万円の安定収入です。

問題は、メンバーの満足度を如何に維持するかです。

ワイン好きの中には、高いワインを自慢する人や、マナーの悪い人もいます。知らないメンバー同士がカウンターでトラブルを起こしたり、人間関係が悪くなってしまうと、嫌気がさしたメンバーが退会する。狭い社会ですから、悪い評判が広がってしまうと経営に打撃です。

また、収益性を重視してメンバー数を増やし過ぎると、予約が取りにくくなります。これもサービス低下要因となり、会員の離反につながります。

さらに、ワインのような嗜好品は景気に左右されます。

ここ数年は資産効果で、この手のビジネスのターゲットとなる人たちの消費は活況です。しかし、株価や不動産価格が下落すれば、最初に打撃を受けるビジネスです。

安定した経営状態にするには、良質なメンバーを早い段階で確保して、カウンターをマネージするソムリエが、来店時に満足してもらうサービスをすることが必須です。しかし、これはかなり高いスキルが必要で、想像以上にハードルが高いのです。競合が増えてくれば、優良顧客の奪い合いになる可能性も出てきます。

このように考えると、飲食業のサブスクというのはハードルが高く、経営する側ではなくサービスを利用する側にいた方が良いと感じてしまいます。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。