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日本経済新聞が、ネット証券大手のSBI証券と楽天証券が日本株の売買手数料ゼロにすることを決めたと報じています(図表も同紙から)。SBI証券の北尾氏が実現させると語っていた「ゼロ革命」がついに現実のものになりました。

日本株の売買手数料を失ってもシェアを取りにいくという価格競争に大手2社が同時に突入することになり、他の大手ネット証券の対応が気になります。

SBI証券では今回の「ゼロ革命」によって年間約200億円の収益を失うことになるそうです。そこまでしてシェアを高めたい理由は言うまでもなく来年から始まるNISAの制度拡充です。

今年の秋から年末にかけて、来年からどの証券会社でNISA口座を開設するかの争奪戦が始まります。

これから投資を始める初心者層の取り込みに、日本株式売買手数料無料はわかりやすいマーケティングツールとなります。

しかし、NISAを活用した長期の資産形成は、個別株式よりもむしろ低コストのインデックスファンドのような投資信託を活用して、積立で行うのがベターな方法です。個別銘柄投資は少なくとも初心者には向いていない投資方法です。

インデックスファンドに関しては、ネット証券では販売手数料無料が既に当たり前になっており、年間の管理料にあたる信託報酬も運用会社間のコスト競争が激化しています。

投資信託を資産運用のメインに据えるのであれば、今回の日本株式売買手数料無料はあまり関係ない話です。

また、日本の個人投資家の興味は日本株からアメリカ株やFXなどに広がっています。日本株の資産運用に占める相対的な地位は低下しているのです。

SBI証券はグループにSBI新生銀行や地銀を取り込み、金融再編の核になることを狙っています。楽天証券は言うまでもなく楽天グループのEコマースから旅行・保険・銀行・カードと経済圏を作り、楽天ポイントによって顧客の囲い込みを行っています。

このような中で、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券の他の大手3社はどのように対抗していくのか?

これから市場に参入してくる投資初心者・投資未経験者に「ゼロ革命」以上のインパクトのある差別化ツールを提供できなければ、格差は今まで以上に広がっていくことになります。

1999年にマネックス証券の立ち上げに参画したメンバーの一人として、今回の急展開を固唾を飲んで見守っています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社ウェルス・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。