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独立系投信会社の先駆けであるさわかみ投信が今週の日本経済新聞に掲載した一面広告が業界で話題になっています(写真)。

さわかみ投信を設立した澤上篤人さんとはさわかみ投資顧問の時代から交流させていただき、仕事のアドバイスをもらったり、セミナーで何度もご一緒する機会もありました。

投資信託の積み立てを使った資産形成という個人投資家を応援する仕組みをいち早く導入し、日本の個人投資家の資産運用を変革したパイオニアと言っても過言ではありません。

個人投資家を主役にするという思想からはとても大きな影響を受けました。

さわかみ投信の運用するファンドはさわかみファンドの1本だけという潔さも魅力でした。

そんな澤上さんがゼロから育て上げたファンドのことを批判するのは本当に気が乗りませんが、敢えて厳しいことを書かせてもらいます。

さわかみファンドは、設立当初から金融株を組み入れないことでインデックスに比べ高いリターンを実現してきましたが、ファンドの規模が大きくなるとともに投資対象株数が増えて「インデックス化」が進むようになりました。

当初は比較的割安であった年間1%の信託報酬も、投資信託の信託報酬引き下げ競争により相対的に割高になっています。

さらに、直近の運用実績を見るとベンチマークとなっているTOPIX等と比べてもリターンは低くなっており、運用の効率性を測るシャープレシオでも競合ファンドに劣後しています。

今回の広告の中で「さわかみファンドはインデックスファンドと同程度と言われてきた・・・」と書いていますが、「インデックスファンド以下」というのが実態です。

また「今後株価が割安だと判断したら一気に買い出動する所存です」とも書いていますが、トランプ関税による相場急落で慌ててキャッシュ比率を高め、リバウンドでの投資タイミングを逃していたのかもしれません。

果たして今回の下落相場でどのような投資行動をしていたのでしょうか?

資産運用は結果が全てです。運用成績の悪いファンドは投資家から解約され、最悪の場合ファンドの解散に追い込まれることもあり得ます。

さわかみファンドの運用成績が長期にわたり低迷しているにもかかわらず、ファンドを応援する個人投資家が未だに投資を続けているのは不思議です。

個人投資家に多大な影響を与えてきた元祖独立系ファンドだからこそ、運用体制を抜本的に改革しもう一度存在意義を示してほしいと思います。

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