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セブン&アイ・ホールディングスの元会長でセブンイレブンを世界最大のコンビニエンスストアに育てあげた鈴木敏文氏が今週亡くなられた報道されました(写真は日本経済新聞電子版から)。
日本のセブンイレブンはアメリカの店舗を視察した鈴木氏が日本導入を主導し1974年に江東区豊洲に1号店を開店。国内だけでも約21,780店舗。アメリカやアジアなどの海外も合わせれば約74,000店舗まで拡大しました。
アメリカの本家は経営不振によって日本のセブンイレブンに買収され経営の立て直しを行ってきました。
規模の拡大だけではありません。かつてのセブンイレブンには、他のコンビニエンスストアにはない個性と魅力がありました。
それを実現してきたのは鈴木敏文氏の徹底した顧客主義です。私はセブンイレブンは小売業界の巨大企業でありながら「鈴木敏文商店」だったのが他社にはない強味に繋がっていたと思います。
おにぎり、おでん、コーヒーといった少額商品の大量販売、公共料金の収納代行、さらには銀行設立と店内ATMの設置。このような従来の常識にとらわれない新しいサービスの多くは社内の反対を押し切って鈴木氏が導入したものとされています。
また、鈴木氏は店内で販売されている惣菜を頻繁に自ら試食しダメ出しをしていたそうです。その徹底した現場主義は誰でも真似できるものではありません。
「何事も変化対応が欠かせない」「モノマネはホンモノには勝てない」「現場を知らない人の意見は聞かない」といった鈴木氏の基本姿勢は小売りに限らず経営全般に当てはまる基本です。
鈴木氏は2016年に後継者問題で社内の混乱を招いた責任をとって第一線を退きました。そしてその後のセブンイレブンは徐々にその魅力を失っていきました。
私もかつてはセブンイレブンの熱狂的なファンでしたが2020年以降は頻繁にセブンイレブンの変化を嘆くブログを書くようになりました。
セブンイレブンは大丈夫か?(2020年1月)
セブンは、なぜ「おにぎりだけ」イケてないのか?(2023年4月)
セブンイレブンに必要なのは広いカウンターではなく「セルフレジ」(2025年8月)
そしていつしかセブンイレブンに対する特別感は消えて普通のコンビニになってしまいました。
鈴木氏が退任した後の迷走や、海外ファンドからの買収提案に揺れる姿を見ていると、あの巨大な組織がサラリーマン思考を排除した一人のトップの強力なリーダーシップによって駆動していた。まさに「鈴木敏文商店」であったことを感じます。
サラリーマンとしてイトーヨーカドーに入社した鈴木敏文氏が何をきっかけに、このような経営者として類い稀なる才能を開花させたのか。鈴木氏の説得術と最後までやり遂げる突破力は大学時代の自治会長に担ぎ出されたことで培われたとも言われますが真実はわかりません。
鈴木氏の唯一の失敗はサラリーマン思考を超えた後継者を社内で育てられなかったことではないか。今のセブンイレブンを見ているとそう思います。
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